【第162回】どうして日本にカジノが必要か?

日本には不思議な法律がある。
刑法第二編 罪「第二十三章 賭博及び富くじに関する罪」である。


(賭博)第百八十五条 「賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。」
(常習賭博及び賭博場開張等図利)第百八十六条 「常習として賭博をした者は、三年以下の懲役に処する。」2 「賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、 三月以上五年以下の懲役に処する。」


要するに、日本では博打は非合法なのである。
ところが日本には、パチンコ、競馬、競輪、オートレース、ボートレースが存在し、堂々と運営されている。
胴元が国や地方自治体であれば日本では賭博は合法なのである。平たく言えば、民で博打をやったら違法で官で博打をやったら合法なのである(各法制があります)。
この身もふたもない法律で、お上だけが博打の胴元になれるということなのである。ヤクザ顔負けの強欲である。

ギャンブルが公営になったのはそんなに古い歴史ではない。
戦後戦災からの復興支援のために始まった(1946年競馬、1948年小倉競輪、1952年船橋オートレース、1952年長崎大村ボートレース)。 それは建前で本音は役人の利権である。
競馬は農林省、競艇は国土交通省、競輪は経済産業省、オートレースは経済産業省、スポーツ振興くじは文部科学省、宝くじは総務省、パチンコは警察庁という具合に、 ヤクザと同じでそれぞれ官庁の縄張りがあるのである。

その公営ギャンブルやパチンコの世界に最近異変が起きている。
赤字である。運営がうまくいっていないのである。
例えば、パチンコ業界は1995年に31兆円の売上があったが、2011年には18.9兆円と半分近くまで衰退している。
競艇、競輪、オートレースが軒並み赤字なのは分かるにしても、不況に強いと言われたJRAでさえ2011年には54年振りに赤字に転落した。 1997年に4兆6,000億円あった売上は半分の2兆3,062億円にまで衰退している。
公営ギャンブルはすでに経営が立ちゆかない、崩壊したビジネスなのである。
政府はこのギャンブル不況を一般大衆のギャンブル離れと単純に定義しているが、お役人はものの本質を理解しながら見て見ぬふりをしている。

公営ギャンブルやパチンコが衰退した理由は簡単である。
“客がいなくなった”からである。
なぜ客がいなくなったかと言えば、“リピーターがいなくなった”せいなのである。これは料理屋がつぶれる理由と全く同じである。

それでは、なぜ客がいなくなったのか?
その理由は控除率にある。
控除率とは、寺銭とかハウスエッジと呼ばれることもある。簡単に言えば、胴元に無条件で入る手数料である。
例えば、1回の勝負で10,000円集まったとして、控除率が10%であったならば、客は9,000円(1,000円は胴元の手数料であらかじめ差し引かれる)から 自分の配当を得るのである。平均すれば全員が損をするしくみなのであるが、勝ち負けで配当するので中には大儲けする客もいる。
この控除率は戦後以来どんどん上がっていって、現在では、競馬で30%、競艇で30%、パチンコで20%、ロト6にいたっては何と40%、 宝くじは実に55%もの法外な手数料になっている。
ちなみに、カジノのスロットは、-3%~15%で、アメリカンスタイル・ルーレットは-5%(0.00ゼロ領域が2つあります)、 ヨーロピアンスタイルは-2.7%、バカラは-1%~4%、クラップスは-1%、ブラックジャックは-1%~1%、マカオの控除率の平均は2.78%である。
30%というのがいかに天文学的寺銭であることがよく分かる。
ほとんどのプレーヤーは損をするしくみ(控除率)なのである。役人は博打打ちは病的に賭博にのめり込むから控除率などいくら上げても構わないと思っているようだが、 10回に1回も勝てない(儲からない)とそもそも博打にならない。単なる寄付である。博打打ちはドナーや慈善家ではない。勝った試しがなければ賭場には行かなくなるのである。 それで日本の公営ギャンブルはJRAを含めてすべて赤字になったのである。役人の浅知恵である。30%の控除率は形を変えた八百長である。

日本にカジノを作るにあたってまずやらなくてはならないのは役人の利権を作らせないことである。
監督官庁という名の胴元を作らせないことである。
赤字の地方自治体の財源に活用したいのなら中央省庁に管轄させないことである。

カジノはどの国でも観光資源の目玉として活躍している。きちんとドレスコードを設定して(タキシードを着て来いとは言いませんが、ジーンズや短パンは禁止でいいと思います。 その辺はヨーロッパ調ががいいと筆者は考えます)各自治体が管理すればいいと思うのだ。
競馬や競輪は、ねじりハチマキのおっさんがホッピー飲みながら行くイメージだが、カジノなら女性でも入れる(もっとも、筆者はカジノには女性は同伴しません。必ず負けます)。
もうすぐ赤字で日本からギャンブルが消えようとしているが、そろそろダサい公営ギャンブルは閉鎖してオシャレなカジノに切り替えてはどうだろうか?

実は先進国でカジノがないのは日本だけであります。
お台場で007を気取ってみるのも悪くはないと思いますが、このままでゆくと日本の国の赤字が減らないので、外国の人にどんどん日本のカジノに来てもらって 日本の財政赤字を埋める手伝いをしてもらおうではないですか。
沖縄とか北海道にサーフ&カジノツアーとか、スノー&カジノツアーを企画して、日本の赤字を少しでも減らしましょう。
既得権益を死守するために公営ギャンブルを墨守している役人をどう懐柔するかは至難の技ですが。