【第135回】別冊お父さんのためのワイドショー講座 その3 恐怖の昭和妻 -小遣い廃止運動のススメ

恐怖の3段ロケット女に新しい名前が付いた。
その名は「昭和妻」だ。これは平成に生まれても昭和妻で、大正に生まれても昭和妻で、ついでに言うと明治に生まれても昭和妻である。

昭和妻とは、時代には関係のない特定の“人種”を指す言葉である。ちょうど、酒井順子の“負け犬”に相当する慣用句でもある。この昭和妻という言葉は、雑誌のAERAが定義した時代用語である。AERAは、昭和妻は3度破綻するという特集を組んでこの高度経済成長期が生んだモンスターについて解説している。
(以下引用)


日本が人類史上まれな高度経済成長を遂げ、「明日はもっと豊かになる」という〝神話〟があったその昔。1960年代から70年代に結婚した女性の多くは専業主婦になった。
サラリーマン世帯の専業主婦比率は70年代が4割弱と最も高い。現在60歳過ぎの団塊の世代だ。年金計算などで用いられる夫婦と子ども2人の「標準世帯」の概念が浸透したのも70年代。出生率は概(おおむ)ね2.0だった。もちろん夫は正社員で賃下げやリストラを知らず。先頭集団は、退職金を満額もらって定年して悠々自適。そんな世代の妻を「昭和妻」と呼ぼう。
家事を楽にする家電の普及は、彼女たちに果てしない「物欲」を植え付けた。家電の次は車、マイホームへ。家事が楽になった分、子どもの教育という新たな「自己実現」も見つけ、教育費もかさんだ。それでも「稼ぐのはあくまでも夫」がお約束。昭和妻は働いてもパート程度だ。
消費が増え続ける昭和妻は、経済が右肩上がりだった時代の「遺産」のはずだった。だが、イサオさん妻のように、「専業主婦+子ども+マイホーム」という昭和妻は、いまの30、40代でも健在だ。親の世代のライフスタイルを「当然」だと追従する「リバイバル昭和妻」たち。
以上、AERA 2009年8月3日号「昭和妻は3度破綻する」より一部引用



昭和妻は遺伝的形質である。ゆえに、母親が昭和妻であるとその娘も昭和妻になりたがり、その母親の祖母も元を正せば昭和妻であるケースが多い。要するに、昭和妻とは既婚女性の習慣生活病みたいなもので、それは昭和妻のしたに生まれて生活することによって女子にのみ遺伝する病気なのである。

大昔、一家に三世代が住み、大家族でしかも一族の本家であるような家では盆と正月に大勢の客がやってきて、家が百年前の庄屋や大店(おおだな)ともなると家事だけでも専業でやらないと、とてもじゃないがまわらないというのはよく理解できるが、昭和妻は戦後の核家族から生まれたものなので(だから昭和なのです)“家を守る”と言っても、守るものは何もない。家族も2人位しかいないし、夫は仕事やゴルフでいつもいないし、家も2DKか3DKのマンションなので1時間もあれば完全に掃除できるようなレベルである。しかも戦前とちがって洗濯機や掃除機や食器洗い機や全自動のお風呂やエアコンや電子レンジやはたまたフードプロセッサやミキサーのような文明の利器に囲まれて効率化された生活をしているので家事は決して重労働ではなくなった。夕食はスーパーで惣菜を適当に買ってきてチンするだけなので、家事と言っても何もすることがない。
それでいて昭和妻は全く働いていないので暇なのである。しかも25歳位で結婚しているので社会人としての経験はたったの約3年(短大卒でも約5年)しかない。ほとんど隔離された状態で暮らし、社会性を見に付けることなくパソコンも使えない状態で歳を取ってゆくのである。
筆者は、子供が小さいうちの専業主婦は十分に理解できるし、またそのころの家事は重労働そのものであることも理解している。だが昭和妻は、子供が学校に通うようになっても、成人して家から出て行っても、夫がリストラにあっても給与がダウンしても、働かないのが特徴なのである。
お金はあくまでも昭和妻夫の管轄で、昭和妻はそんなことは関係ないのである。お互いに痛みを分かち合ったり協力したりすることは決してない。

ただ、昭和妻は非常に強い権力を持っている。
昭和妻のもう1つの特徴は、家計の管理である。昭和妻は夫の収入を全て自分で管理している(すなわち、財布の紐を握っている)ので、経済的な実権を全て握っており、ダンナの小遣いは月3万円でも自分はゴルフ、テニス、スポーツクラブ、エステ三昧なのである。
また、昭和妻は3段ロケット女でもあるので、自分自身はさっぱり勉強ができないくせに子どもを一流中学、一流高校、一流大学に行かせようとして教育費を年間100万もかけて習い事や塾に通わせるのである。

AERAではその昭和妻が生涯3度の破綻に見舞われると特集している。
(以下引用)


ファイナンシャルプランナーの藤川太(ふじかわふとし)さんは『サラリーマンは2度破産する』の冒頭で、35歳、妻と子ども2人、年収700万円のトヤマさんが40代から60代で2度破産するシナリオを示した。教育費が増える時期と、年金が入る前の定年後の2度が危機だ。収入が伸びず、年金も従来ほど期待できないまま。破産リスクはさらに高まっている。
だが、自分が稼いでいないので景気や先行きを「体感」できず、会社や世の中のおカネの仕組みが様変わりしたことを認めない昭和妻たちの基本姿勢は、「この先も何とかなるだろう」だ。
藤川さんは指摘する。「40歳以上の主婦の相談者は、バブル時代を引きずった価値観の人だらけ。あなたが家計のリスクの原因だと説明し、病気を直すことも助言しています」

勤労者家計5割は病気
昭和妻の最大の家計破綻(はたん)リスクは住宅ローンだ。購入する家の選び方にも際立った特徴がある。昭和妻は婚約時には女性誌に登場するようなマイホームで頭の中がいっぱいになり、バージンロードを歩いている最中には間取りも描いている、と警戒しておいた方がよい。
会社員ながら、国内外への不動産投資でかなりの資産を築いた宮本泰輝(みやもとやすてる)さんは、手厳しい。「日本では住宅決定権が女性にあり、夢やイメージが重視される。男性に主導権があれば、東京の地価は違っていた。女性の数字を無視した住宅選択とそれに逆らえない男性の弱さは、健全な資産形成を破壊する原動力」
娘の「昭和妻願望」をかなえるため、頭金を用意する親が多いことも、夫の発言権をますます弱くしている。
以上、AERA 2009年8月3日号「昭和妻は3度破綻する」より一部引用



筆者はかつて、成年男子は生涯に3度太り、3度破産するという説を唱えていた。
太る方から解説すると、1度目は不規則な学生生活から社会人になって3度3度ご飯を食べるようになって太り、2度目は結婚して奥さんがやたらに作り過ぎる手料理を無理して処理(食べるのではない)して太り、3度目は会社の健康診断で赤信号が灯り始めて禁煙して太るのである。
この3回の肥満を超えて成年男子は生涯体重を決定するのである。
また、3度破産するというのは、1度目は金もないのに招待客を100人も呼んで豪華な結婚式を挙げて破産し、2度目は安月給の最中に子どもが生まれて破産し、3度目は新築のマンションを35年ローンで買わされて破産するのである。

昭和妻も生涯に3度破綻するらしい(破産ではなく破綻です。間違えないように)。
1度目は理不尽で分不相応な住宅を購入して破綻し、2度目は子どもを私立の有名校に入れるために際限なく教育費を注ぎ込んで破綻し、3度目は結婚が破綻するというシナリオである。
実はこの昭和妻という概念は昨今の婚活ブームと連動した社会現象なのである。
AERAでは以下のように解説している。
(以下引用)


最近ではこんな調査もある。内閣府の男女共同参画白書(09年度)では、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方について、20代女性の36%が「賛成」と答え、30~50代の女性よりも「主婦支持」の声が数%上回った。 前出の山田さんは、こう話す。「専業主婦の母親を豊かさの鑑(かがみ)として育った世代は『お父さんみたいな人との結婚』が理想。独身時代、実家にパラサイトできたのも昭和妻待機組にはいい環境だった」
現実は、就職氷河期世代を含む若い世代では、非正規雇用が増え、親世代のような稼ぎは夢のまた夢。そうした現実と冷静に向き合い、折り合いをつけ共働きを選択する女性と、あくまでも昭和妻を狙って人生をギャンブル化する女性に分かれていく、と山田さんは、指摘する。
「婚活ブームの背景には、何とか豊かで安定した昭和妻になりたいという願望が横たわっている」
以上、AERA 2009年8月3日号「昭和妻は3度破綻する」より一部引用



それでは、この昭和妻を改造する方法があるのだろうか?
筆者は民主党の事業仕分けを家計内で行って、その上で経済的実権を夫側が取り戻すしかないと考える。事業仕分けを行えば、1ヶ月の基本的な生活費が判明するし、子どもも有名私立でなくとも公立に入れればよいので適正なポートフォリオを組んでその上で経費を毎月支給するのである。
大体、いい歳をした大人が小学生のように奥さんから小遣いをもらう、なんていうバカげたことがまかり通っていること自体がおかしいと筆者は思うのだ。

筆者はまえから思っていることだが、女の敵は男ではないと思う。女の敵は女であり、働く女の敵は働かない女であり、働かない女の敵は働く女なのである。負け犬と勝ち犬の対立も女性から生まれている(勝ち犬=昭和妻ですが)。
現代における昭和妻にいたる系譜を整理してみると以下のようになる。

就職難 —-> 派遣OL+実家パラサイト —-> 婚活 —> 昭和妻

バブルのころに流行した、結婚したい男性の条件の3高(高学歴、高収入、背が高い)も元を辿れば昭和妻生活に入るための必要十分条件だったのである。
筆者はなぜ同じ時代に生まれ、片方はリストラやノルマに脅かされながら少ない小遣いに耐え、片方は貴族のように全く労働せず生活の保障を一方的に求めることが結婚の幸せなのかさっぱりわからない。お互いが幸福を共有することが結婚ではなかったのか?そういう不公平を家庭内に内在させながら夫はひたすら外の荒波を越えて行かなくてはならないのだろうか?

筆者の大学生の息子曰く、「ぼくはお父さんみたいに結婚して家族をずっと養う自信はない」
そりゃそうだろう、学生時分からそういう自信のある立場があったら教えて欲しいものだ。現代は一部上場企業でも弁護士でも公認会計士でさえも一生安泰ではない。一生昭和妻の面倒をみれる若者などいない。高度成長期は時代がよかっただけなのだ。それでも昭和妻は母親の先代昭和妻をめざして専業主婦稼業を邁進するのである。
ただ、最近は税制も専業主婦を認めなくなっているので(配偶者控除の廃止)、先代昭和妻のように国家ももう味方してくれなくなった。
筆者は配偶者控除をやめて子供手当にすることに大変賛成である(筆者はもう子供手当はもらえませんが)。

ちなみに、専業主婦が家計を握る国は世界広しといえども韓国と日本だけだそうである。筆者は昭和妻の息子であったので、昭和妻が大嫌いであるが、一方では昭和妻を必要としている人の意見もある。その昭和妻肯定論を展開したある人生相談を引用して本コラムを終わりとしたい。
(以下引用)


妻に専業主婦に戻って欲しい。 by 発言小町
眠れずパソコン開いていたら、ここを見つけました。
つい目に留まったのが、妻を養うってそんなに嫌ですか、のタイトル。
自分は、全然嫌じゃないです、専業主婦がいいです。
妻に専業主婦に戻って貰いたい、時代に逆行しようが何だろうが、妻の変貌を止めたいし、自分は家事も限界なんです。
結婚してからずっと主婦でいてくれた妻が、八年くらい前からフルタイムで働き始めたんです。働き出した理由は、専業主婦を女性がこき下ろすテレビ番組だったか、何かを見てそう思われたくないからとか何とか。職種は、独身の頃やっていた洋服の販売なんですが、どんどん派手になるわ、金遣いが荒くなるわ。自分で稼いだんだから、文句言われる筋合いは無いと言い出す始末。
家事は、お互いに自分の事だけ。妻の都合で強制的にこうなってしまいました。家の中は、カーテン閉めっ放しで、埃と妻の長い髪の毛が廊下に溜まっている、冷蔵庫の中は常に空だし。元々家事なんて出来ない自分ですが、精一杯自分の事はやっているつもりです、とても他にまで手が回りません。子供もいません、もう自分は43ですし、妻だって36、働いている場合じゃないと思うのです。
結婚した意味が分からなくなっています。
手抜きでも、昼寝しても何でもいい、専業主婦として最低限でいいから自分の支度をして欲しいのです。
何でこんなに同性から専業主婦が嫌がられるのか分からないです。男の中で専業主婦の妻なんて普通なんですが。
とにかく、妻には専業主婦に戻ってもらいたくて、そう話をしても、全て折半なんだから、平等だと聞かない。自分だけの給料でも十分やっていけるのです、贅沢さえしなければ。
このまま離婚しても、自分の生活は何ら変わらないと思えます。
そう話してみようか考えています。
以上、発言小町サイトより一部引用