【第24回】資源大国ニッポン現わる!

日本は製造業の国である。国土は狭く資源に乏しいため、外国から鉄鉱石やレアメタルや原油等々の安い原材料を輸入してそれを加工し、付加価値の高い工業製品を生産して海外に輸出し、富を築き生計を立ててきた。 資源のない国の稀有な成功例であった。

その資源に乏しい小国ニッポンが21世紀の中盤に世界一の資源大国になって、資源を輸出し、働かずして世界の富を一身に集めるというシナリオがある。
そんなバカな話があるかい、と皆さんは思われるだろう。
これから筆者の考えた資源大国ニッポンのシナリオを説明してみよう。

世界銀行の副総裁であった、J.F.リシャールという人が世界銀行の立場で経済を予測した、「問題はグローバル化ではないのだよ、愚か者」という過激な題名の本がある。
この本の統計によれば、現在の世界の人口は約65億でこのまま増え続けて21世紀の中頃までには80億人位まで人口が増加するとその本には書いてある(80億からは減少に向かうようでもあるが)。

では人口が80億になった時に何が不足するだろうか?

皆さんは食料だと思うかもしれないが、さにあらず「水」である。食料を増産するために水が必要になるのだ。
一方「水」は一般家庭のエネルギー源としても必須の資源となる。
現在の家庭用の電力はインドネシア辺りで採取した天然ガスだの、中東の石油を燃して発電している。それが21世紀の中頃までには自家発電が一般家庭に普及するようになる。
その時の資源はソーラーバッテリーと燃料電池である。燃料電池の原料は水素であり、その水素を作るために必要なのは水である。
また、21世紀の中頃になると、現在のハイブリッド車がさらに進化して全てクリーンエネルギーである水による燃料電池で自動車が走るようになるであろう。
自家用車もトラックも4WDもすべて「水」を燃料として走るようになる。
21世紀に進行している地球の温暖化や汚染や砂漠化によって地球上の真水の入手先は現在より偏在化して、特定地域の資源となる可能性がある。
「水」は21世紀の後半には石油よりもはるかに貴重な資源となるのは間違いない。
何せ、食料も交通も電力も全て水で動くのだから(中国は特に困るかもしれない)。

日本は国が長年、公共投資で湯水の如くムダな建設工事をやったおかげで、日本の河川にはもれなくダムがある(四万十川がなぜ最後の清流となったかといえば、一級河川で上流にダムがない唯一の川というくらい日本の川はダムだらけである)。
また、日本の国はお金が余っていたので、全国どの場所にも立派な港湾を作って、世界中に船を出せるようになっている。
また、日本の国は税金が余って余って仕方なかったので、どんな片田舎に行っても舗装道路が整備され高速道路は北海道の原野にすら伸びている。
また、日本の自治体にはもれなく水道局があって全て立派な浄水施設を持っている。
その上、最近は亜熱帯化しているために台風が1つ到着するだけで何百万トンもの雨が降るようになっていて、その台風の数も多くなっている。

ここまで説明すればよくお判りだと思うが、日本は水資源大国なのである。
真水を非常に安いコストで貯水、浄水、輸送できるインフラを国家的なレベルで持っている国なのである。現在の日本は巨大な真水の生産工場となっているとも言えるのである。

例えばニュージーランドなども日本と同じ湿潤な気候で、降水量は申し分ないのだが、それを貯水するダムも道路も港湾も十分に整備されてはいない。インフラが無いのである。

21世紀の末頃には日本は世界中に飲料水、工業用水、農業用水、燃料水を供給する、一大資源大国になるはずなのである。
このことを知っているのは筆者だけではない。
ちょっと怖い話をすると、日本人に水が有料であるということを認識させた一大ブランドのヴォルビックの井戸は、その昔、三菱商事所有であった。現在はダノンが所有している。ヨーロッパの2大食品メーカーであるネスレとダノンはヨーロッパ全土のみならず、北アフリカの水源(その中には筆者の友人が交渉したベルベル人の砂漠の井戸もあります)を買い漁っているのである。
彼らは「水」が21世紀の戦略物質であることを世界レベルで認識しているのである。
つい2,3年前フランスの水道会社が日本の自治体の水道局を買おうとした話は記憶に新しい(この片棒を担いだ某日本の商社はアホか非国民であります)。

そうなると、21世紀の日本の若者はアラブの富豪のように水を世界中に売って、プラプラ遊んで暮らせるようになるであろう。もはや、テレビだの自動車だのを輸出する必要はないのである。
日本中に水富豪が溢れ、税金はタダになり、ローマの穀物法のような法律が施行され、日本の国籍を持っていれば一生働かなくてもよい時代がくるかもしれない。

資源大国ニッポンは後50年もすれば実現される。皆さん、楽しみですね。
でもそれまでは製造業を盛り立てて、しっかり稼ぎましょう。